50歳ですが、いまさらNISA始めてもいいですか?:株式会社鬼塚FP事務所 鬼塚祐一氏

50歳ですが、いまさらNISA始めてもいいですか?:株式会社鬼塚FP事務所 鬼塚祐一氏

事務所名:

株式会社鬼塚FP事務所

代表者:

鬼塚祐一

事務所エリア:

福岡県福岡市

開業年:

2015年4月

従業員数:

1名

Q.本書は、どのような書籍ですか?

「老後資金に不安を感じている50代へ向けて書いたものですね。新NISAというものがあるらしくて興味はあるんだけれども、なんだか怖い、一歩が踏み出せないという50代の方向けに、手間暇のかからない着実な資産運用の方法を解説している本です。

Amazonのレビューで星5つの高評価をいただいていて、なんだか怪しい感じになっていますが(笑)もちろん無理矢理に書かせたものではなくて、やはり本は反響が違うなと思いました。今までも、YouTubeやメルマガで同じようなことをお伝えしてきたのですが、本になるとお客様がとても喜んでくださったんですよね。推し活みたいな感覚なんでしょうか、この機会に何冊か買って友人に贈りましたと言ってくださる方もいらして、ありがたいことだと思います。

親には自費出版だと勘違いされていましたが(笑)、それこそ親世代である70〜80代はオンラインサロンなどには馴染みがありませんし、投資の説明をするのが難しい側面があるので、本というメディア露出は凄く分かりやすくて喜んでくれました。そういうタイプの親ではなかったのですが親戚にも伝えてくれたようで、自分よりも自分の周囲が変わるのが商業出版なんだなと感じています。実際、出版してからは週刊誌や新聞から取材を受けました。」

Q.本書を執筆したきっかけは?

「2年ほど前でしょうか、名古屋でオフ会があったのですが、その席で50代の女性が仰っていたことがきっかけになりました。その方は、有名な投資系YouTuberが発信していた、50代以降は投資なんてせずに節約して質素に暮らすべきだという主旨の動画を観て、”これ以上なにを節約したらいいんだ”と思ったそうなんですね。節約なんてもうしていますと、50代以降は人生を楽しむことを諦めなければいけないのかと絶望したと仰っていました。

そのような時に、たまたま私の動画がオススメに上がったようで、私のチャンネルでは年齢を問わずテーマにしていますから、例えば50代より上の60代や70代の方の投資成功事例も紹介していて、それを観たことでちょっと勇気が湧いてきたからオフ会に参加したと言ってくださったんです。

退職が近づく年代になると、収入に関する不安は若い頃よりも大きくなりますし、私の中では50代が投資をすることは普通だったのですが、調査してみたら先にお話した女性だけではなく50代以上は投資してはいけないと思い込んでいる人が多いことが分かり、つまりニーズを掴んだんですね。

それ以降、YouTubeで積極的にターゲットを50代に絞った動画を公開するようになったのですが、そのうちの1つが特にバズって100万回再生以上になるほどでした。これがフォレスト出版の編集者の目に留まり、お声がけいただいたのが直接のきっかけです。その時点で、もうこれで会議にかけますからという企画書が出来上がっていたのですが、私のYouTubeを隅から隅まで観ていなければ書けないような内容で、実は他社からもオファーがあったのですが、印象の良かったフォレスト出版にお願いすることにしました。」

Q.本書の特長や、類書と違う点は?

「とにかくゼロイチの初心者の方へ向けて書くことを意識しましたね。やはり投資は難しい、怖いというイメージを持っている初心者の方が多いと思いますので、できるだけ敷居を下げようと冒頭を漫画にして、取っ付きやすくしました。また、これは私の指示ではなく編集サイドの配慮なのですが、年齢層が50代ですので文字を少し大きめにして、行間にもゆとりを持った作りにしています。これは実際に50代の方から読みやすいというお声をいただきましたね。

他にも、この本は336頁あるのですが、書店で売れている投資の本を調べたところ大体200頁くらいのものが多いので、分量も特徴です。ただし、頁数は多いけれども読みやすいと言っていただけているので、分かりやすくはなっているんだと思います。それでもやはり、テーマが投資ですから難しく感じる部分もあるでしょうし、文章だと眠たくなるという方もいらっしゃると思いますので、本の内容を全てフルテロップ入りの動画にして、特典としてQRコードを載せました。

本には結構グラフやデータを載せているのですが、どうしてもそれらを文章で説明している部分とは頁が分かれてしまうことがあるので、行ったり来たりするのが面倒でしょうし、特に初心者の方はそれだけでもう読む気をなくす可能性もあるなと思って動画にしたんです。意外とこれをやっている本は無くて、とても好評でしたが、実は印税の半分を投入して制作を外注したものだったりします(笑)。」

Q.本書はどのような人に向けて書きましたか?

「銀行に預けていても、ちっとも利子がつかないな、と思っている人は一杯いますよね。かといって、投資に興味はあっても、さっぱり分からないし怖い、投資の知識はゼロで経験もない、そういう50代の方へ向けて書きました。

あるいは、一応投資の経験があるんだけれども、なんだかよく分からないまま始めてしまった方でしょうか。例えば、いつも行っている銀行の窓口で勧められて取り敢えず買ってみた、何が良いのか分からないのでネットで調べたら勧めている人が沢山いた、取り敢えず売れ筋ランキングの1位を買ってみた、こういった方々にも読んでいただきたいなと思っています。」

Q.本書をどのように活用してほしい?

「50代ってお子さんが大きくなっている世代ですよね。これも50代の方が感想として書いてくださったことなんですが、新社会人になった娘にプレゼントしたら、娘がそれで投資の勉強をして面白いって言ってましたよ、というお声がありました。それを読んで、家族でお金のことを話すきっかけになると良いなと思いましたね。

普通、親の言うことって子どもは嫌がるじゃないですか。あまり聞きたがらないものだと思いますが、クッションとしてプロの話があり、それが本だと渡しやすいのかもしれませんし、今っぽく”YouTuberが本を出したんだよ”みたいに持っていくと、敷居が下がって更に聞いてくれそうじゃないですか。

また、親御さんが投資の勉強を始めてみたものの、いざそれをお子さんに説明しようとしても難しいかなと思いますので、代わりに本を使っていただくと良いのかなと思います。今は企業型DC制度を導入している会社も増えていて、高卒で入社した子も馴染みのない書類を書く必要があったりしますので、若い頃からお金のリテラシーを高めておいたほうが良いということもあるでしょうからね。実際、そういうご相談をいただくこともありますよ。」

Q.本書を通じてのメッセージは?

「2つありまして、まず投資は難しくないということをお伝えしたいですね。昔話になりますが、私は高校時代に数学がもの凄く苦手で、テストで0点を取ったことがあるんです。0点なんて普通はなかなか取れるものではありませんので、我ながらかなり衝撃を受けましたが、もう自分に数学は無理だなと思って、関わらずに済むよう大学は私立の文系を選びました。

結局、授業にほぼ出ずバイトとバンドばかりやっていましたが、そういうロクに勉強もせず数学では0点を取ってしまうような人間でも、社会人になって自分で投資をして、更には人様へアドバイスまで出来るようになる訳です。そう考えると投資は難しくないよ、誰でもできるんですよ、ということが1つ目です。

もう1つは、投資は社会貢献に繋がるということですね。皆さんが投資を始めるきっかけとしては、老後が不安なのでお金を増やしたいといった動機が多いと思うのですが、どのような理由であっても投資を始める人が増えれば、経済の活性化に繋がると思いますので。

投資って、言い換えれば頑張っている会社を応援するというようなことですから、応援することで経済が活性化すれば、その企業で働いている人のお給料も上がっていくでしょうし、株価が上がれば株で投資をしている人の資産が増えます。つまりは、社会全体が豊かになることに繋がっていくということなんですね。

一方で、投資にお金を回す余裕はありません、という方もいらっしゃると思います。しかし、経済が良くなればそういう方々のお給料も上がって少しは生活が楽になるでしょうし、投資もできるようになるかもしれません。また、労働もせずに稼ぐなんてという罪悪感や、投資に対する悪いイメージを持っている方もいらっしゃいますが、実は社会貢献に繋がるということが分かれば、自分のためだけではなく人のためにもなるんだったらやってみようと思うようになるかもしれません。

投資をする人が増えれば増えるほど、みんなにとって良い循環が生まれるということが、もっと伝わっていくと良いなと思っています。」

鬼塚祐一 プロフィール

お金の運用の専門家である、一級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、株式会社鬼塚FP事務所代表取締役

YouTubeチャンネル「小学生にも分かる投資の授業」は登録者数11万人超!

書籍「50代ですが、いまさらNISA始めてもいいですか?」Amazon人気度ランキング1位、楽天ブックス金融部門1位!

大学卒業後、郵政事業庁に入り、ゆうちょとカンポの営業職に従事し5年勤務。その後、女性向けのマネー講座を主催するFP事務所に転職。講師として500回以上、セミナーに登壇する。

2015年4月に独立。日本では珍しい、金融商品の仲介を一切しないFP事務所を設立。日本FP協会パーソナルファイナンス教育インストラクターとして小学校や大学にて金融教育を行う。

新聞雑誌の記事監修、テレビ出演多数。