- 事務所名:
-
行政書士中村俊介事務所
- 代表者:
-
行政書士中村俊介
- 事務所エリア:
-
神奈川県川崎市
- 開業年:
-
2023年4月
- 従業員数:
-
ー
大杉:まず簡単な自己紹介として、お名前と事務所の所在地、資格、現在の主な取扱業務をお話しいただけると嬉しいです。
中村:中村俊介と申します。事務所の所在地は神奈川県川崎市です。行政書士の資格を取得して活動しておりまして、現在の取扱業務は遺言相続業務を中心に、国際業務も少し行っています。
大杉::会社員をご経験された後に行政書士資格を取得されたとのことですが、他にもいろいろな資格がある中で、なぜ行政書士がいいと思われたのでしょうか?
中村:きっかけは、地元の公共施設で受けた講座でした。最初はファイナンシャルプランナーの講座を受けていたのですが、その施設が行政書士試験の対策講座も開催していたんですね。知らない資格だったので興味を持ちまして、勉強がてら受講してみようと思いました。
大杉::なるほど。開業されて、最初から遺言相続の業務をやろうと思われていたのですか?
中村:はい。5年前に父を亡くした際、法律のことを熟知しないまま遺産分割を経験したことがきっかけになりました。当時の私自身の様に家族や周りの方等、お役にたてる対象のイメージをはじめに想起できた業務が遺言相続です。
大杉::最初のお客様はどのように獲得されたのでしょうか?
中村:最初は友人でした。高校時代からの友人のご尊父が、私が開業する半年前に亡くなっていらして、遺産分割協議書はご自身で作成されたとのことでしたが、私が送った開業案内に相続業務の記載を見つけ、「協議書作成以後でお任せできる部分があればやってほしい」と依頼してくれたのです。友人は顧問税理士をつけていたので、私は主に遺産整理の部分を担当しました。
大杉::そうすると顧問税理士さんへ相談しそうなものですが、中村先生との信頼関係があったからなんでしょうね。その後、遺言のご依頼などもあったのでしょうか?
中村:遺言書単発でのご依頼はなかったのですが、開業一年後、遺言書作成のセミナーを開催することにしました。先生によっては、無料相談会を入口にされていると思います。私の場合は「遺言書がなくて困った」ケースや「遺言書はあるが抑えるべきポイントを欠いた為にトラブルとなった」ケース等を紹介し、参加者が自分事として捉えてもらえる様に工夫しました。セミナー業界では”教育”という言い方をしますよね、必要性を感じてもらいたかったので、テキストを自作して自主開催しています。
大杉::結構お金がかかると思いますので、自主開催はすごいですね。どのように集客されたのですか?
中村:自作のチラシや、地域情報誌を利用して、地元を対象に広告を出しました。費用はそれなりにかかっていますね。
大杉::なるほど。そこからどのようにして具体的な依頼につながったのでしょうか?
中村:セミナーの参加者にアンケートを書いていただき、無料相談を希望する方にはこちらからお電話やメールでご連絡するという形です。ただ、開業後すぐにセミナーを開催できたわけではなくて、もちろん遺言相続の実務経験もなかったので、最初は集中して勉強していました。
運が良いことに、私が所属している川崎南支部の研修会で、支部が毎月区役所で実施している市民向けの無料相談会での相談事例について学ぶことができたんです。個人情報は伏せられているものの、相談員の方々が対応された実際のご相談ですから内容が具体的で、実務に活かすことができました。
大杉::とても実践的に学ばれているんですね。「かわさきソムリエ®」について伺いたいのですが、先生は川崎のご出身なのでしょうか?
中村:はい、そうです。
大杉::「かわさきソムリエ®」は、どこかの機関が設定している資格なのでしょうか?
中村:いいえ、これは私が作った完全オリジナルの肩書きです。川崎の歴史や魅力に精通し、それを発信して周りの人も川崎に呼び込み、川崎での活動を盛り上げることができる人、いわば川崎の伝道師としての役割を果たせる人という定義です。私が今ソムリエになれているということではなくて、「かわさきソムリエ®」になるべく熟成中といった段階ですね。
大杉::具体的にどのような活動をされていますか?
中村:川崎にある歴史的なスポットや面白いイベント情報等をSNSで発信しています。また、川崎市内小学3年生の社会科見学にバスガイドとして伴い、説明しつつ川崎市内を巡るというボランティア活動に参加しています。川崎には川崎大師をはじめ、多くの公共施設、川崎港湾施設、その他ちょっとした「全国初」や「ギネス級」のスポットがあるのです。
ガイドのボランティアは公募ではありません。川崎には「ようこそ!川崎検定(新・川崎産業観光検定試験)」といういわゆる“ご当地検定”試験がありまして、この試験の合格者を中心としたグループ主催の見学ツアー等に私は良く参加しています。また、主に試験合格者を対象とした川崎産業観光ガイド養成講座を受講したことで、私は川崎愛に溢れた人達とのご縁の拡がりが加速しました。その一環で、グループのメンバーからガイドボランティアのお誘いをいただきました。今後は見学ツアーの企画や運営面でのお手伝いもしていきたいなと思っています。
大杉::なぜ「かわさきソムリエ®」としてのブランディングをしようと思われたのですか?行政書士業務に活かそうと考えたのでしょうか?
中村:会社員時代は東京と横浜に出勤していましたし、当時はそれほど地元愛に溢れた感じでもありませんでした。ただ地域に根差す行政書士として再出発しようと改めて自分の人生を振り返ったとき、私はこの地で生まれ育って本当に恵まれているなとの念が沸いてきたのです。家族や友人、関わってくれた方々への恩返しとしてどうしたら川崎を更に盛り上げられるだろう?とシンプルかつインパクトのある言葉を考えていたら「かわさきソムリエ」という言葉が自分の中に降りてきました。(笑)
大杉::地元で自然に人脈がつながっていくという感じですね。どうすれば中村先生のように人と仲良くなれるのでしょうか?
中村:特に変わったことをしているわけではありませんが、何かのお誘いを受けたら、私は感謝ととりあえず参加の方向で検討するという意識を持つようにしています。
大杉::そうやってリアルの交流が広がっていくのですね、やはりアナログは大事です。今後、「かわさきソムリエ®」としてどのような活動をされていく予定ですか?
中村:近日中にKindleを出版したいと考えていまして、タイトルは「川崎市が気になる!今すぐ引っ越したくなる街の魅力」です。
大杉::めちゃめちゃ川崎愛ですね!「かわさきソムリエ®」としてのブランディングから本の出版につながったのですか?
中村:はい、そうですね。様々なチャネルで発信して地元に恩返ししたいという思いがあります。
大杉::本を出そうと思ったきっかけは何かありますか?
中村:LEGALBACKSでKindleのセミナーを受講したこともありますが、まず自分自身がチャレンジしたいと思ったことです。実はこの「かわさきソムリエ®」は商標登録をしております。私に降りてきたこの言葉と当時の自分の意気込みを形にしてみたくて、初めての出願にワクワクしながらやってみたら、無事登録されたんですね。いい感じのブランディングができたなぁと、その勢いで本も書いてみようと思いました。
大杉::すごいですね。今後の野望というか、チャレンジはありますか?
中村:これもLEGALBACKSで横須賀さんへ相談したことがきっかけで、「こんな面白い人がいるよ」と紹介できるようなウェブメディアを作りたいですね。私は現在、会う人会う人に「かわさきソムリエ®です」と布教活動のごとく自己紹介をしているのですが(笑)、「なにそれ?」と言われながらも、面白いニュースを教えてもらったり、まさに面白い取り組みをされている人と巡り合うことがあります。当事務所の近くで国登録有形⽂化財(建造物)に登録される見込みの施設があるのですが、この登録申請に尽力された方がなんとお隣さんなのです!これら多様な魅力や人々の挑戦をインタビューで掘り下げて紹介できる、川崎のオウンドメディアのようなものができたらいいなと。じつは今年は川崎市制100周年で、運命的なものを感じずにはいられません。どんどん川崎をアピールしていきたいですね。
大杉::資格取得を目指している方へメッセージをいただけますか?
中村:実際に報酬をいただく実業としての仕事とライフワークとして始めた「かわさきソムリエ®」の同時進行で、今とても充実していますね。先日、この2つはつながっているのだという気づきがありました。某小学校のバスガイド中に私が「工場夜景の聖地」と呼ばれる日本触媒プラントの説明をしたところ、少年が「僕、大人になったらこの工場で働こうかな。そうしたら毎日綺麗な夜景が観られるよね…」と呟いたのです。将来この子たちが飲食店を開業する/家業を継ぐ/会社を設立するなど、行政に対して何らかの許可を取りたい時、私が行政書士としてお手伝いができる場面を想像してハッとしました。私が現在専門で取り組んでいる遺言相続という業務も終活のイメージが強いですが、「次の世代へつなぐ」という未来志向の意識を持つきっかけともなりました。行政書士の業務範囲は幅広いですが、どの分野でも「他人のお役に立てる」素晴らしい資格だと思っています。
大杉::素敵なエピソードですね。この配信でファンが増えたと思いますが、「かわさきソムリエ®」の会員制度についてはいかがですか?
中村:正直あまり考えていませんでしたが、そういう声をいただいたので、少し考えてみようかなと思います(笑)。
大杉::穏やかな印象の中村先生ですが、行動力がすごいですね。本日は楽しいお話をありがとうございました。
中村:ありがとうございます。ちょっと暑苦しいかもしれませんが(笑)これからも情熱を持って取り組みます。
1979年、神奈川県川崎市生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 システムエンジニアや外資系企業での営業事務を経て、2023年に行政書士事務所を開業。遺言・相続業務を中心に活動している。2024年からは「かわさきソムリエ®」として、川崎市の文化や魅力をガイド・SNSを通じて市内外へ発信し、地域活性化に取り組んでいる。将来的には、中小企業の経営サポートや法人手続きなどにも注力し、川崎市の成長と共に歩む地域貢献型行政書士を目指している。

クレド社会保険労務士事務所代表。大阪大学法学部卒業。 サントリー(現サントリーホールディングス)株式会社を経て、医業経営コンサルティング会社に参画。クライアントの抱える多様な問題に応えるため、社労士資格、行政書士資格を取得し開業。医療法人・スタートアップ企業の労務コンサルティングを得意とする。医業専門リーガルサービス法人共同代表、専門家集団『BAMBOO INCUBATOR』所属。医療労務コンサルタント、キャリアコンサルタント。