- 事務所名:
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行政書士ARISEリーガルオフィス
- 代表者:
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伊敷紀巳雄
- 事務所エリア:
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大阪府大阪市
- 開業年:
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2024年1月
- 従業員数:
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1名
目次
Q1. 現在の事業内容を教えてください
本業は行政書士としての活動で、現在は登録支援機関の一部業務を担い、在留資格の支援などにも関わっています。
一方で、生成AIアドバイザーとしての活動も本格的に行っており、こちらは主に経営者層を対象としています。クライアントの悩みや課題を丁寧にヒアリングし、本質的に何を解決したいのかを深掘りしたうえで、生成AIの活用方法をオーダーメイドで提案しているのが特徴です。提案内容はクライアントごとに異なり、ツールの導入支援や運用アドバイス、アプリ開発のディレクションまで多岐にわたります。
ただし、自らが実務作業を担うことはなく、必要に応じて外部のプログラマーなどと連携して進めるスタイルをとっています。このように行政書士業務と生成AIアドバイザーの二本柱で、現代的な課題に応えるサービス提供を実現しています。
Q2. 生成AIアドバイザーとして、どのようなサービスを提供していますか?
生成AIアドバイザーとして私が提供しているサービスは、一言で言えば「経営者の悩みを言語化し、それを生成AIでどう解決できるかを共に考える伴走型の支援」です。多くのクライアントが「生成AIを使いたいけど、何に使えるか分からない」という段階にいます。
私はまず、対話を通じてその方の事業課題や業務の流れ、隠れたボトルネックなどを丁寧に掘り下げていきます。そこから本質的な課題が見えてきた時点で、初めて「生成AIであればこのように活用できますよ」と具体的な提案を行います。
特徴的なのは、すべての提案がクライアントごとのオーダーメイドである点です。例えば、ある企業には業務マニュアルの自動作成を、別の企業には問い合わせ対応の自動化を提案するなど、それぞれの業種・業態・組織文化に応じて柔軟に対応しています。また、私は基本的に「自分で手を動かさない」ことをポリシーにしており、アプリ開発などの実装フェーズが必要な場合は、外部の信頼できるエンジニアに依頼し、私は設計とディレクションに専念しています。
サービス提供の形としては、顧問契約が中心です。月額で契約いただき、継続的に課題の変化に対応しながら、生成AIの導入・活用を支援しています。加えて、必要に応じてスポットでの相談や研修も行っています。例えば、生成AIに対して苦手意識を持っている社員に対して、基本的な使い方や考え方をレクチャーする研修を実施することもあります。
つまり、単にツールの使い方を教えるのではなく、「なぜ使うのか」「どうすれば成果につながるのか」という思考の部分から一緒に考え、経営課題の解決に繋げていく。これが私の生成AIアドバイザーとしてのスタンスであり、サービスの本質です。
Q3. 生成AIアドバイザーになろうと思った経緯は?
私はもともと、企業の総務・人事・経理といった管理部門で、20年ほど働いてきました。その経験から、業務の効率化や仕組みづくりに強い関心があり、AIがそれらを根本から変える力を持っていると確信していました。特に生成AIが登場したとき、これは単なる流行ではなく、業務の構造自体を変えてしまう革新的な技術だと直感したんです。
当時所属していた行政書士法人で、「この分野を事業として伸ばしたい」と上司に相談しましたが、「まずは1万時間の実務を積め」という伝統的な考えで一蹴されました。その時、自分の可能性を証明するには自ら動くしかないと思い、行政書士法人に退所を申し出て、独立を決意しました。
後任が見つかるまで、退所を待って欲しいとの話を言われたので、半年ほど勤務を続けることになり、副業として生成AIアドバイザーを始めました。
最初は横須賀先生からGPTの使い方を学び、自分自身でも深く研究を重ねていく中で、行政書士としてだけでなく、生成AIアドバイザーとしての立ち位置が徐々に確立していきました。これまでの業務経験と生成AIの親和性が非常に高かったので、自分にとって自然な進化だったと感じています。
Q4. 生成AIアドバイザーで活動を始めて感じたことや起こった変化
生成AIアドバイザーとして活動を始めてまず強く感じたのは、「この領域は自分にすごく合っている」という実感でした。生成AIって、結局のところアイデア勝負の部分が大きいんですよね。使い方次第で、同じツールでも全く違う成果が生まれる。そういう意味で、これまで企業で総務・人事・経理といった多様な業務を経験してきたことや、自分の中にあるアイデアの引き出しを活かせるフィールドだと感じました。
実際に顧問契約を結んでアドバイスをしていく中で、「こういう使い方ができるんですね!」と喜ばれたり、「こんな発想はなかった」と驚かれたりすることが多く、自分の知識や発想が人の役に立つことへの手応えを強く感じました。また、AIの活用をきっかけに、業務そのものの在り方や働き方を見直すきっかけになる企業もあり、単なるツール導入支援にとどまらず、経営全体のパートナーのような立ち位置になることも増えてきました。
もう一つ大きな変化は、「人との出会い」です。生成AIという新しい領域で活動していると、本当に多種多様な人と繋がれるようになりました。例えば、AIの活用によって「仮想墓じまい」を設計する建築士の方や、中学生で起業している個人事業主の少女、そして「AIを使う人の問題を深く掘り下げよう」と語る生成AI研修の研修講師まで、今までの行政書士業務では出会うことのなかったタイプの人たちと出会うことになりました。次から次へと、多くの刺激的な交流が生まれています。
収益面でも、活動の幅が広がることで安定性が増しました。顧問契約として月額フィーをいただく形に加え、必要に応じて外部のアプリ開発案件をプロデュースしたり、大学生のインターンに生成AIを教えて、その学生が営業先で案件を取ってきた場合に自分が最終交渉を行って報酬を得たりと、多層的な収益モデルが構築できるようになりました。
何よりも大きな変化は、自分が心からワクワクすることに取り組めているという実感です。行政書士の枠を超えて、今までの経験と新しいテクノロジーを掛け合わせることで、これからの時代に必要とされる存在になれるかもしれない。その希望を持ちながら、日々活動しています。
Q5. 生成AIアドバイザーの今後の可能性について、どう思いますか?
私は、生成AIというものは一過性のブームではなく、社会全体の「構造を変えてしまう」ような力を持った存在だと考えています。よく「AIは流行りでしょ?」という声も聞くのですが、私にとっては明治維新のような大変革に近いインパクトを感じています。明治維新で武士の時代が終わり、全く新しい社会が始まったように、生成AIの登場は、私たちの仕事の仕方や価値観そのものを根本から変えていく。そういう時代の転換点に、まさに私たちは立っていると思うんです。
そして、こうした大きな変化の中では、先に気づいた人や先に動いた人が大きなチャンスを掴む、いわゆる“先行者利益”があります。実際、今の時点でも生成AIを実務レベルで活用できている行政書士は、全国でもほんのわずかです。つまり、今はまだ“空いている市場”であり、可能性だらけの領域だということ。私自身、GPTを使いこなせるようになってから、さまざまな人との出会いや新しい仕事のチャンスが次々と広がりましたし、想像以上の広がりがある分野だと実感しています。
特に士業のような専門職にとって、生成AIは「敵」ではなく「味方」になり得るものです。単純な書類作成や文書生成といった業務はAIに任せて、人間はその分、もっと本質的な部分――クライアントの課題解決や戦略の提案など――に集中できるようになる。つまり、AIと上手く役割分担することで、仕事の質そのものが格段に上がるというわけです。
ただし、これは“使える人”に限った話です。何もせずに様子を見ているだけでは、気づいた頃にはもう遅いという状況にもなりかねません。だからこそ、私は「今こそ始めるべき時」だと思っています。生成AIに興味があるけど踏み出せていない人には、ぜひ早めに取り組んでもらいたいですね。将来的には、生成AIを活用できるかどうかが、専門職としての競争力や存在価値を左右する時代が必ず来ると感じています。
この構造変化の波に乗れるかどうか、それが生き残りと発展の分かれ道になる。そう強く信じています。
近畿大学商経学部商学科卒業。 20年以上に渡り中小企業の管理部門で 、総務・人事・経理の仕事を担当。2024年1月に行政書士登録。行政書士法人の大阪支店長として許認可を担当。 2025年11月行政書士ARISEリーガルオフィスを立ち上げ独立開業。 LEGALBACKS会員。 2025年3月より生成AIを初めて使い、別会社のI-verse株式会社で生成AIアドバイザーを事業化、2025年10月までに生成AIアドバイザーの顧問契約3件、生成AIに関するセミナー5件を行う。

