2024年2月22【「観葉植物が枯れた」「オフィスの掃除が減った」は実はセーフ…プロが見ればわかる潰れる会社に見られる前兆】横須賀輝尚の記事がPRESIDENT Onlineに掲載されました。

2024年2月22【「観葉植物が枯れた」「オフィスの掃除が減った」は実はセーフ…プロが見ればわかる潰れる会社に見られる前兆】横須賀輝尚の記事がPRESIDENT Onlineに掲載されました。

会社が潰れる予兆を見抜くことはできるのか。特定行政書士の横須賀輝尚さんは「オフィスの観葉植物が枯れた、掃除が行き届いていないといった“オフィス劣化”が起きている…
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会社が潰れる予兆を見抜くことはできるのか。特定行政書士の横須賀輝尚さんは「オフィスの観葉植物が枯れた、掃除が行き届いていないといった“オフィス劣化”が起きている企業の方が生存確率が高いことがある」という――。

「オフィス劣化」は倒産の前触れなのか

経営の世界では、会社の健全性を示すシグナルが多く存在します。一般的には、観葉植物が枯れている、オフィスの掃除が行き届かない、無料のドリンクコーナーがなくなるなど、日常の小さな変化が倒産の前触れであるとされてきました。

しかしながら、これはあくまでイメージの話。映画やドラマの世界では、わかりやすくこのような表現がよく用いられますが、実際の現場はそんなシンプルなものではないのです。そして、場合によってはこうしたオフィス劣化のシグナルがある方が、かえって企業の生存確率は高いことがあるのです。

それは、どういうことか。

解説していきましょう。

従業員が倒産を知るのは「発表当日」がほとんど

多くの人は、会社が倒産に向かっているとき、前掲のようなある種の兆候が現れると信じています。それは、オフィス内の微細な変化から、従業員への福利厚生の削減、運転資金の不足による支払い遅延など、さまざまな形で現れるとされています。

しかし、プロの視点から言わせてもらうと、これらの変化は必ずしも倒産の前触れではありません。実際に、破産や民事再生手続きは非常に秘密裏に行われることが多く、従業員や関係者がこれらの手続きを知るのは、実際に発表される当日であることがほとんどです。なぜなら、申立代理人弁護士の費用のほか、裁判所に納める費用が大きい。つまり、ギリギリまでは売上をつくり、1円でも多く捻出して経営を成立させていかないと破産手続きすら進められないわけです。

破産を担当する弁護士は、会社に訪問することもなく、会社とは別の場所で経営者と打ち合わせを行い、倒産の事実を知っているのは経理や財務の責任者の一部のみ。これが倒産の事実なのです。ですから、現実に起こる倒産のシグナルを察知することは、かなり難しいと言えるのです。

もちろん、こうした静かな風景の中にも破産等の手続きは進みますから、これまで管理していなかった過去の契約書の提出を求められるなど、僅かな変化はあります。とはいえ、こうした変化をキャッチすることは、決して簡単ではないのです。

では、一方で観葉植物が枯れる、掃除が行き届かなくなるなどのオフィスに起こる「倒産の予兆」的なシグナルはどう考えれば良いのでしょうか。

コストカットは会社が生き残ろうとしている努力の表れ

そもそも、観葉植物が枯れたり、掃除が行き届かなくなるなどの変化は、何を示唆しているのでしょうか。もちろん、会社にお金がなくなり、余裕がなくなってきている証拠と見ることもできます。

しかしながら、裏を返して考えると、コストカットをするということは経営者自体はまだ会社の存続を諦めていないということでもあります。つまり、これらの変化は、会社がコスト削減を図り、生き残りをかけている可能性があるわけです。言い換えれば、これらのシグナルは倒産の前触れではなく、会社が逆境に立ち向かい、生き残るための努力の表れであるとも解釈できる、ということになります。

「じたばた」できる経営者は生き残れる

経営者の自家用車が変わる、なんていうのもよく言われるシグナルです。例えば、これまで外車を乗り回し、「外車でなければ、車とは言えない」と豪語していた経営者が、突然国産の中古車に乗り換える。一般的に見れば、「羽振りが悪くなった」、「経営の先行きが怪しい」と見ることができますが、前述のとおり再起をかけて車を買い替えている可能性もあるわけです。

車の話をすれば、外車というのは銀行などの金融機関からは「贅沢」「無駄な出費」と見られがち。国産車だと堅実。そういう固定観念があります。もし、この経営者が自身のプライドを捨て、金融機関からの借り入れを嘆願するために車を買い替えたとしたらどうでしょう。もしかしたら、その企業は案外しぶとく生き残る可能性を持っているのかもしれません。

事実、最終的に経営を継続させることのできる経営者は、体裁を気にすることなく「じたばた」できる人です。観葉植物や清掃、福利厚生などは、会社の危機に際した時にはただの贅沢品であり、無駄です。でも、見栄やプライドがあるとこうした無駄な出費もカットできないもの。だから、最終的に突然潰れる時には、シグナルが見えにくいのです。

https://president.jp/articles/-/78694