- 事務所名:
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ひがしむき行政書士事務所
- 代表者:
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東向勲(行政書士・日本ライフパートナーズ協会 代表理事)
- 事務所エリア:
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大阪市中央区
- 開業年:
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2015年8月
- 従業員数:
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2名
目次
Q1. 現在の事業内容を教えてください
私たちは、任意後見制度を活用して、単身高齢者の方やお子さんのいらっしゃらないご夫婦の将来の不安を解消するサポートを行っています。任意後見制度というのは、まだ元気で判断能力がしっかりしているうちに、将来もし認知症や事故などで判断能力が低下した場合に備えて、自分の後見人をあらかじめ決めておく制度です。多くの方が、突然の病気や入院のときに誰が手続きをしてくれるのか、亡くなった後のことはどうなるのかといった不安を抱えておられます。
ご契約をいただいた方には、月に一度スタッフが訪問し、面談を通じて生活状況の確認や不安のヒアリングを行っています。また、相続人がいらっしゃらない方や将来に備えたい方には、遺言書の作成をご提案することもあります。さらに、万が一の際には医療機関での手続き支援や、葬儀・納骨などの死後事務まで含めて対応しています。生前の見守りから最期の手続きまで、一貫して支える体制を整えているのが私たちの事業の特徴です。
Q2. 日本ライフパートナーズ協会とは、どんな活動をしているのですか?
私たち日本ライフパートナーズ協会では、任意後見制度を中心に、高齢者の将来不安を解消するための仕組みづくりと実務支援を行っています。活動は大きく分けて「制度の普及・啓発」と「具体的な支援業務」の二本柱です。
まず普及活動として、医療従事者や介護職員、地域包括支援センター、社会福祉協議会など、高齢者と日常的に関わる専門職の方々に向けて勉強会やセミナーを実施しています。任意後見制度は法律に基づく制度のため、名前は知っていても内容まで正確に理解されていないケースが多いのが現状です。そこで、制度の仕組みや法定後見との違い、活用のタイミング、実際の支援事例などを具体的にお伝えし、現場で適切に案内できるよう情報提供を行っています。
そうした活動を通じて専門職の方々とのネットワークが広がり、「将来を不安に思っている単身高齢者がいる」「身寄りがなく支援が必要な方がいる」といったご相談をいただくようになります。ご紹介を受けた方とは丁寧に面談を重ね、ご本人の意思を確認したうえで任意後見契約を締結します。契約後は月一回の訪問面談を基本とし、生活状況の確認や不安のヒアリングを行いながら、必要に応じて遺言書作成の提案や死後事務の準備も進めていきます。
制度の説明だけで終わるのではなく、啓発から契約、日常の見守り、そして最期の手続きまで一貫して伴走すること。それが私たち協会の活動の特徴であり、使命だと考えています。
Q3. 日本ライフパートナーズ協会を立ち上げた背景はどのようなものがありましたか?
もともと私は医療法人に勤務していて、医療業界の中で高齢者の方と接する機会が多くありました。現場では、身寄りがなく将来に不安を抱えている方や、判断能力が低下してから支援が始まるケースを数多く見てきました。独立して行政書士事務所を開業してからも、高齢者の方やそのご家族からの相談が年々増えていき、超高齢社会の中でこの問題は今後ますます大きくなると強く感じるようになりました。
当初は行政書士として法定後見人の業務も受けていましたが、正直なところ一人で対応できる人数には限界があります。どれだけ思いがあっても、自分一人では支えられる方の数は限られてしまう。その現実に直面したときに、もっと多くの方を支える仕組みをつくらなければいけないと考えました。
そこで着目したのが任意後見制度です。法人として体制を整え、スタッフが関わる形にすれば、一人の専門家に依存するのではなく、組織として継続的に支援ができます。社会課題を解決する事業として取り組むためにも、株式会社ではなく一般社団法人という形を選び、協会を立ち上げました。より多くの高齢者の不安を解消するための仕組みをつくりたい、その思いが出発点です。
Q4. この活動をすることによって、どのような成果がありましたか?
この活動を通じて一番強く感じている成果は、ご契約いただいた方が目に見えて安心されることです。単身高齢者の方やお子さんのいらっしゃらないご夫婦は、「自分が倒れたら誰が病院の手続きをしてくれるのか」「亡くなった後のことはどうなるのか」といった不安を常に抱えておられます。契約を締結し、「これからは私たちが責任を持って支えます」とお伝えすると、「これで本当に安心しました」と笑顔を見せてくださる。その瞬間に、この仕事の意義を強く実感します。
また、月に一度の訪問面談を継続していく中で、単なる契約関係を超えた信頼関係が築かれていきます。日々の出来事を話してくださったり、ちょっとした体調の変化を共有してくださったりすることで、早期に対応できるケースもあります。「あなたたちが来てくれるのが楽しみなんです」と言っていただけることもあり、孤立を防ぐという意味でも大きな役割を果たしていると感じています。
スタッフにとっても、この活動は大きなやりがいにつながっています。目の前の方に直接感謝される仕事は決して多くありませんが、ここでは「ありがとう」と言っていただける機会が非常に多い。社会に必要とされている実感が、組織全体のモチベーションを高めています。
さらに、会員数も着実に増加しており、継続的な契約による安定した事業基盤が築けています。行政書士業務との相乗効果も生まれ、遺言書作成や相続の相談へと自然につながるケースも増えました。社会的意義と事業の持続性、その両方を実感できていることが、この活動によって得られた大きな成果だと感じています。
Q5. いまからこの活動・事業をするためにはどうしたら良いですか?
この活動をこれから始めたいと考えるのであれば、まず大前提として、任意後見制度をはじめとする成年後見制度全般や相続・遺言に関する知識をしっかり身につけることが必要です。ただ条文を理解するだけではなく、実際の現場でどのような相談があり、どんな背景で不安が生まれているのかを具体的に想像できる力が大切だと思います。
そのうえで一番重要なのは、医療や介護の現場との信頼関係を築くことです。将来不安を抱えている高齢者の方と日常的に接しているのは、病院の医療ソーシャルワーカーやケアマネジャー、地域包括支援センターの職員の方々です。こうした専門職の方々から「この人なら安心して紹介できる」と思っていただける存在になることが、この事業の入り口になります。そのためには、勉強会やセミナーを通じて制度の説明を行い、具体的な事例や対応の流れを共有しながら、顔の見える関係を地道に築いていくことが欠かせません。
また、この事業は単発の仕事ではなく、長期的に関わる継続型の支援です。責任も大きく、途中でやめるわけにはいきません。だからこそ、個人の力だけに依存するのではなく、スタッフや協力者を含めた組織体制を整えることが重要です。理念や覚悟を共有できる仲間と連携し、チームで支える仕組みをつくることが、結果として信頼につながり、事業としても安定していくのではないかと私は考えています。
Q6. 今後、このジャンルの可能性と、成功するためにはどうしたら良いですか?
このジャンルの可能性については、私は非常に大きいと考えています。日本はすでに超高齢社会に入っていますが、65歳以上の人口は今後も増え続け、2040年から2050年頃にかけて一つのピークを迎えると言われています。特に都市部では単身高齢者の割合が年々高まっており、配偶者に先立たれた方や、生涯独身の方、子どもがいないご夫婦など、将来を自分で備えなければならない方が確実に増えています。そうした社会背景を考えると、任意後見をはじめとした事前準備型の支援ニーズは今後さらに拡大していくと見ています。
一方で、任意後見制度そのものの認知度はまだ十分とは言えません。制度の存在を知らない方も多く、知っていても具体的な活用方法まで理解している方は少ないのが現状です。だからこそ、正しい情報を届け、具体的な活用イメージを持ってもらうことが重要になります。市場が大きくなるから自然にうまくいくというものではなく、医療・介護の現場との接点を持ち、信頼関係を築きながら、必要な方に確実に情報が届く導線をつくることが成功の前提だと考えています。
また、この事業は行政書士業務との相性も非常に良いと感じています。任意後見契約をきっかけに、遺言書作成や遺言執行、さらには相続の相談へと広がるケースも多く、結果として業務全体に相乗効果が生まれます。スポット型の単発業務だけでなく、長期的な関係を築くストック型のビジネスモデルになるため、経営の安定性という面でも大きな可能性があります。
ただし、成功するためには「需要が増えるから参入する」という発想だけでは難しい分野です。高齢者の人生の最終段階に深く関わる以上、何よりも信頼が重要ですし、途中でやめることができない継続性も求められます。理念を明確に持ち、最後まで責任を持てる体制を整えること。そして現場との連携を大切にしながら、地道に実績を積み重ねていくこと。その積み重ねが評価につながり、結果としてこのジャンルでの成功につながっていくのではないかと私は考えています。
一般社団法人日本ライフパートナーズ協会
代表理事・行政書士 東向 勲
医療法人で約10年間勤務したキャリアを活かし、医療・介護・福祉専門の行政書士として開業する。開業した1年後に、一般社団法人日本ライフパートナーズ協会を設立する。主に身寄りのない単身高齢者や、子どもいない高齢者夫婦に対して、任意後見制度を活用した法律的な支援をおこなっている。また、近年では海外に在住している日本人高齢者の帰国支援もおこなっている。
社会福祉協議会や地域包括支援センターなどからの講演依頼も多数。一般市民向けや医療・介護の専門職向けにセミナーをおこなっている。成年後見制度に関連した書籍も2冊執筆している。

