士業が選ぶチャットツール「Chatwork」とは?:Chatwork株式会社副社長CNO 山口 勝幸氏

士業が選ぶチャットツール「Chatwork」とは?:Chatwork株式会社副社長CNO 山口 勝幸氏

山口 勝幸 プロフィール

Chatwork株式会社 副社長CNO 
SI・制作会社勤務を経て、ITサービス提供事業会社でサービスと組織マネージメントに従事。
2008年にChatworkに入社後、常務取締役に就任。
2016年にCMO、2019年3月に取締役副社長COOに就き、ビジネス部門を統括。
2022年4月副社長執行役員CNO(Chief Networking Officer)、社長補佐として経営判断や事業推進を担ったのち 2023年10月より副社長CNO(Chief Networking Officer)に就任し、社内外ネットワークの発展を担っている。
横須賀(本サイト運営会社パワーコンテンツジャパン株式会社代表)とは10年来の付き合いで、共に士業へDXを広めてきた盟友。

事務所名:

Chatwork株式会社

代表者:

山本正喜(代表取締役 兼 社長上級執行役員CEO)

事務所エリア:

東京都港区

開業年:

2000年7月

従業員数:

463名(2023年12月時点、グループ従業員数)

Q.現在のChatwork株式会社の状況について

「上場から約4年と少しが経った現在、「Chatwork」(https://go.chatwork.com/ja/)は約43万社、登録ID数では650万超の方にご利用いただいておりまして、グループ従業員数は450名を超えているといった状況です。まだまだ頑張ってユーザーを増やしていかなければいけませんが、弊社の使命は中小企業の働き方を支援することですから、ビジネスチャットだけに拘っている訳ではありません。

チャット以外でも中小企業支援の側面から何かできないかと試行錯誤を続け、DX支援など様々なことをやってきた中で、2本目の事業の柱となるBPaaS(ビーパース)というビジネスモデルの新規事業を、2023年6月に立ち上げたところです。BPaaSはBusiness Proses as a Serviceの略で、「Chatwork アシスタント」(https://assistant.chatwork.com/)としてサービスを展開しています。アメリカではすでに市場がある領域なのですが、日本ではまだ新しい概念なので市場で発表した時には場が静まり返っていましたね(笑)。

解りやすく言えばDX代行のようなもので、BPOを入り口に弊社が業務を巻き取りながらDXを進めるという感じです。BPOと言えば大企業という印象が強いと思いますが、中小企業でもBPOが使えて、しかもSaaSのように気軽に使えるようになりましたよというコンセプトで、新しいアウトソースの形をご提供しています。

私もたくさんのお客様や企業の皆さんにお会いしていますが、人手不足と言われる中でもやはり中小企業でのそれは顕著だと感じています。事業の核となるコア業務だけでなく、それ以外のバックオフィス等の業務についても人が足りない場合リソースを割けるのかというと、難しかったりします。ましてやDXということになれば、やった方が良いということは何となく分かるけれども、現実問題として“自社では出来なさそうだ”という話になりがちです。

限られたリソースはできればコア業務に回したいというお客様も多く、DXという観点は結果的には後回しになりがちです。そうであればもう弊社で業務ごと巻き取ってDXしますよ、というご提案ですから、多くのお客様から”それは良いね”という感じで、かなり良い反応をいただいています。

Q.改めて、「Chatwork」で何が実現できるか?

「「Chatwork」は2024年3月1日でリリースから13年になります。お陰様で「Chatwork」を知らないという方にお会いする機会も少なくなってきましたが、初めて説明させていただく方へは、電話・メール・FAXと合わせて利用することで圧倒的な効率化をもたらす新しいコミュニケーション手段です、とご説明しています。プライベートでは多くの方がチャットアプリを使った連絡をするのが一般的になっていると思います。そのやり取りやレスポンスの速さをイメージしてもらいながら、より仕事用に最適化したものが「Chatwork」ですという説明が、一番理解が早いのではないでしょうか。ちなみに、自社で認識している限りではありますが、「Chatwork」はおそらく世界初の仕事で使えるチャットサービスでした。

一方で、税理士会などでお話をさせていただくと、チャットのイメージがない先生方もまだまだいらっしゃるんですね。ですから、“chat”は寛いで親しげに交わす雑談やおしゃべりのことですよ、という単語の説明からはじまり、メールやFAXはリアルタイムではなく手紙が電子化したもの、グループウェアも掲示板が電子化したもので、それらとチャットは別のものですよ、チャットで対話しているのが未来のDXですよ、といったことをスライドでご説明しています。チャットはメールの進化版ではないという基本的な概念・コンセプトからお伝えすると、イメージがつきやすいようです。

士業の方は個人向けのメッセージツールをお使いの方も多いようなのですが、検索機能が弱くタスクを取りこぼす危険がありますし、メッセージやファイルの保存期間も短いですからね。こうした個人向けSNSとの違いをご説明した上で、ビジネスに特化したチャットツールとしての特徴をご説明すると、「Chatwork」がいかにお仕事で使っていただきやすいものなのかが伝わりやすいと感じます。

横須賀さんから、士業にとって使いやすいインターフェイスだと評価していただいているように、リリース当初のサービスコンセプトとしては、メール文化に親しまれた方々が移行しやすいようなUIを念頭に置いていました。ビジネスで個人向けSNSのような短文を使うのは抵抗があるという方でも、メールを送るような形式でチャットができます、ロジカルでストーリーのある内容もお伝えできますというアプローチで、メールよりもライトなチャットへ置き換えるという立ち位置でしたね。こうした流れから、未読に戻せるといったメールの良さも実現できるようなUI設計になっていて、これは他社のチャットにはない機能だと思います。

個人向けSNSは会話に近い短文のやり取りで、どちらかと言えばその場限りの使われ方をするのが前提だと思いますが、「Chatwork」は議事録的な使い方ができるんですよね。後で遡って何回でも確認ができるように、横断検索が可能な点はビジネス上の大きな利点だと思います。また、横須賀さんをはじめ、ヘビーユーザーの方に最もご支持をいただいているのが“非同期コミュニケーション”という概念で、「Chatwork」には既読機能やオンラインであることが分かる仕様は設けていません。ここは個人向けSNSとの大きな違いではないでしょうか。

時代背景としても、企業が採用に苦戦していて人手不足から仕事が回らない、やっと人を確保できたとしても、働き方改革によって労働時間がどんどん減っているという、厳しい状況です。こうして人も時間も少なくなる中、時間を合わせるということ自体が凄くナンセンスになっているように思います。こうした中で、集まらなくても良い、時間も合わせなくて良い、バラバラな場所で働いているみんなの細切れ時間、隙間時間をつなぎ合わせて仕事を進めましょうというスタイルを提案していて、それを“非同期コミュニケーション”と呼んでいます。中小企業にこそ、求められている働き方のスタイルなのかなと思っています。

横須賀さんが仰る”相互マイペース”で、お互いにマイペースだからストレスがないというイメージが解りやすいかもしれませんね。特に日本人は、既読がついていたり相手が見ていることが分かってしまうと、返信を迫られている感覚に陥りやすいと感じます。しかし本来そういった部分にカロリーを使うのは仕事の本質ではありませんので、そうしたコミュニケーションストレスが少しでも減ると良いなと思います。反対に、「Chatwork」の代表的な機能であるタスク機能は仕事の漏れを防ぐことが目的なので、納期設定ができたり、完了したことが双方に分かるようになっている点も評価していただけているようです。

最後に、実現できることの例として、横須賀さんが相談対応をメールから「Chatwork」に切り替えられた際、相談数が激増したのに返信に使う時間が半分以下になったと仰っていましたから、これは工数削減の分かりやすい実例だと思います。」

Q.なぜ、士業の活用者が多いのか?

「本当にありがたいことに、ここまでかと驚くくらいに使っていただいていますね。士業コミュニティの中で世代が変わっても、若手の方々もお使いくださっていて、大変光栄なことです。士業の世界では先輩から仕事を教わるという機会がある中で、ツールなども自然に後輩へ伝わるケースが多いようですし、税理士会や社労士会で導入が進むなど、各士業会で採用されていることにより、世代を超えてちゃんと受け継がれていっている効果もあるのかなと思います。

また、主に個人の確定申告を支援している場合などB to Cビジネスに近い場合には、個人向けSNSのほうが利便性が高いのかもしれませんが、やはりB to Bの世界では圧倒的に「Chatwork」をご利用いただいているということも、ありがたいことですね。ユーザー数が多いため、他の事務所や取引先企業が使用していることが導入のきっかけになるケースもあるようです。

もちろん横須賀さんにも大きく貢献していただきました(笑)。天才塾の時代からずっと、会員さんを中心に“士業として専門領域のクオリティを上げていくのも大事だけれども、ITに詳しいといったような差別化も必要だよ”と勧めていただいていて、その流れで「Chatwork」をご紹介いただき、ありがたいと思っております。」

Q.士業からはどんな声が届く?

「やはり顧客とのやり取りが楽になったということ、そして内容が残る検索できるのが良いというお声を多くいただいています。また、決算資料や身分関係書類など、確認等のやり取りが多く面倒な資料の回収も、劇的に早くなったと言っていただけていますね。他には組織マネジメントの側面から、所長がお客様別、チーム別にチャットを追いかけていくと、現在進行形で発生している事態がきちんと見える、要は“見える化されるのが凄く良い”というお声も、多くいただいている評価の1つです。

大きな事務所になればなるほど、「現場が上手く回っているのか、お客様をフォローできているのか等が心配で現場を離れることができなかったが、今では気軽に出張へ行ったり、休みを取って旅行へも行けるようになった」と言っていただけます。移動中や外出先であっても、情報がキャッチできる、お客様へ返信できる、離れていてもチャットを見ていたら手に取るように今の状況が判るため安心して現場を離れていただけるということのようです。

また、これまでは専任者が1人で見ていたものを、チーム制にして全員で一気通貫にサポートすることができるというお声もいただきます。これはチャットのグループ機能あってのことで、メールでは難しいことの1つではないでしょうか。お客様1社に対して、数名でのサポートできるので、細かいニーズに応えることができるということも、よく言っていただけますね。

いつでもどこでも、何度でも気軽に相談してもらえて、それに対するレスポンスも早いということは、心理的な距離が縮まることに加えて、コミュニケーションの総量も増えるんですよね。横須賀さんが「相談の数が増えた」と仰っていたように、メッセージを送るハードルが下がり接点が増えることにつながりますから、これは良いことだと思います。また、「Chatwork」を使っている士業事務所が多いことから、他士業との連携がやりやすくなったということもあるようです。

士業の方からいただく評価を大きく分けると2つに集約されます。お客様との距離が近くなり関係性が良くなるというコミュニケーションの密度に関することが1つ、もう1つが効率化で、これらの側面から仕事が進めやすくなったというお声をいただくことが多いのかな、というところですね。」

Q.まだ「Chatwork」をつかっていない士業へ

「「Chatwork」が世に出て13年、士業の方に多く使っていただくようになってから10年くらいになりますが、この10年間はDX1.0だったと考えているんです。「Chatwork」以外の顧客管理ツールなども含めて色々なものを使い、効率化してきたのが1.0の使い方で、ここから先の10年は2.0へ進んで欲しいなと思っています。

今後ますます人手が不足するとなると、士業事務所としても仕事はあるのに人がいなくて回らないという事態に突入するように思えるんですよね。同じように世の中の中小企業においても同じ状況になることが予想されます。そういった企業の皆さんをリードしていく存在としても、ぜひ先陣を切って更なる進化をしていただければと思っています。

例えば、「Chatwork」と業務管理ソフトをAPIで連携させて、チェックリストが埋まっていない項目があれば勝手にBotが起動してお客様へチャットを送る、お客様から返信が来るまで追跡する、といったことが可能です。今のプロセスを全て自動化するといったような、一歩先の効率化ができれば様々な企業様のお手本になっていくのではないかと思います。

簡単な確認の文章であれば定型化できますし、相手が多忙な社長だったりすると、人間であれば何度も催促するのは気が引けることもあるでしょうけれども、ロボットだと気を使いませんからね。神経をすり減らさずに済みますし、ミスや漏れなども防げますので、可能な限り人に依存する業務を減らすという方向性で、DX2.0へ持っていきたいなと思っています。それが「Chatwork」というプロダクトとしてなのか、BPaaSのサービスなのか、実現の手段は色々と考えられますが、お客様をもう一歩先へご案内するのが、次の弊社のミッションなのかなと感じているところです。」