横須賀 それぞれ簡単でいいので、手短に自己紹介をお願いできますか。
黒川 はい、黒川と申します。開業して15年ですね。社労士法人と税理士法人がメインなのですが、保険代理店などの周辺業務も色々とやっていて、百数名の組織になりました。最近は少し士業に飽きて、フィットネスジムをオープンして楽しくやっています。
仲田 改めまして、Besoの仲田と申します。私は開業してもうすぐ5年目になるのですが、大阪を中心に活動していて、会計税務×DX支援といったところで、大阪・奈良・東京の三事務所で税理士法人を展開しています。
横須賀 はい、よろしくお願いします。それでは、セミナートピックに従って進めていこうと思います。
・税理士はいま本当に「固い」資格なのか?
横須賀 一応、税理士は固い資格だという風に言われてきたと思いますが、実際どうなんですかね、業歴の浅い仲田さんからお聞きしたいです。
仲田 固いと言えば固いと思うんですけれど、もう税理士だけではやっていけないというか、良い意味で言えば色々な選択ができる資格じゃないかなとは思っています。
横須賀 仲田さんが開業した頃は、もう普通にやろうと思ったら結構厳しいみたいな空気ありましたか?
仲田 ありました。私が独立した時は人数も少ないし若手の部類だったので、通常のやり方ではお客さんを獲得できないなと感じていましたし、実際普通にやっていたら無理だったと思います。
横須賀 ありがとうございます。黒川さんはどうですか?
黒川 そうですね、もし私が15年前じゃなく今開業したとしたら、ちょっとどうすれば良いんだろうって途方に暮れますね。
横須賀 いや本当に、黒川さんが15年で、私が行政書士で開業して21年になるので、あの頃は正直、凄く努力が報われやすかったと思うんですよね。ライバルもネットで営業しているところはまずなかったし。もし今やるんだったら、黒川さん何します?
黒川 取り敢えず15年前と同じことはコピーしてみたいなと思っていて、1年間で1,000人とか1,500人とか名刺交換しまくって紹介をもらっていたので、それを今の時代でもやってみたいですね。
横須賀 私もむしろそっちのほうが良いと思っていて、結局飛び道具がメインになっているから、今は広告費用も高いしね。AI相談も出来ていますし、そういう意味では割とリアルの方が結果が出やすいんじゃないかなって感じます。仲田さんは当時どういう風に考えてやれば上手くいくっていう風に思ったんですか?
仲田 何かしらで差別化しないといけないなっていうのは感じていたのと、何かしらで1番を取らないと有名になれないなという気がしていたので、当時は使いにくいということで、あまり使われていなかったfreeeさんに敢えて特化して、ブランディングをしていきました。
横須賀 強みの作り方について、周りからどんな意見があったんですか?上手くいかないよとか?
仲田 まさにそれで、色々な先生方へ相談した時に「お前ら絶対上手くいかへんからやめとけ」と反対を受けましたが、私は逆にそれがチャンスだなと思いました。有名な先生方が嫌がっているということは、ここを伸ばせば1番が取れると考えて、特化していったという感じです。
横須賀 ということは、今も税理士が嫌がってることはチャンスってことですよね。
仲田 私はそうだと思います。
横須賀 黒川さん何かあります?税理士が今嫌がってること。
黒川 freeeは嫌ですね。
横須賀 あ、そうなんだ、どのへんが嫌なんですか?
黒川 FINAL FANTASYがⅤまでは理解できたけど、Ⅶあたりから理解不能になったみたいな、済みません(笑)。
横須賀 ハード変わったからね(笑)。そこはほら、頑張んなきゃいけない。昔、40代が分かれ目だって先輩経営者に言われて、30代までは自然についていけるけど、40代で歯を食いしばらないと置いていかれるから、ついていきたいなら40代で頑張れって。
仲田さんに質問をいただいていますね、特化する内容を決める時は不安があったと思いますが、そこはどのように克服していきましたか?なぜfreeeに特化しようと思ったんですか?
仲田 特に不安はありませんでした。独立した時はやってみてダメだったことが凄くあったので、改善するスピードは意識していたのですが、あまり不安は感じていなかったですね。というのも、1人でしたから全部やるということは絶対にできない、どこかに集中して特化させないと難しいと最初から思っていたので不安はなかった、というところです。
横須賀 背中を押してくれる存在がいないにも関わらず、決められたっていうのは凄いですね。
仲田 確かに、でも結構色々分析もしましたし、調べる時間は3カ月くらいかけて経営計画を作った記憶があります。なぜfreeeに特化しようと思ったのかは、クラウド会計に特化しようということは予め決めていたのですが、大阪で独立しようとした時に、割と大手税理士法人さんがマネーフォワードさんを使っていたので、同じものを使うと勝てないという戦略的な理由と、freeeさんの設計思想が凄く好きだったので特化したという感じです。
横須賀 なるほど、ありがとうございます。質問いただきました、税理士になろうと思った理由を教えてくださいとのことで、黒川さん手短にお願いします。
黒川 そうですね、なんか格好良いなと思ったという、以上です。
横須賀 あとは割と家庭環境が経営に身近だったというのはありますよね。
黒川 そうですね、実家が自営業だったので身近な職業ではありましたね。
横須賀 ありがとうございます、仲田さんは?
仲田 女性ということもあって、キャリアを積んでいくにはどうするかを考えて資格を取りたいと思ったのが1つと、大ファンだった上戸彩さんが近畿税理士会のCMをされていたからです(笑)。
横須賀 人間ね、単純なほうが良い、本当に。最近は情報が多すぎて、みんなちょっとしたことも思考が複雑なんだよね。さっき黒川さんがアナログ営業で会いに行くと言ってたじゃないですか、多分コツコツSNSをやるよりも、そっちのほうが早いと思うんだよね。だってエンドユーザーさんに会ってる訳じゃん。1日100個ツイートしても、いいねが1個もつかなかったら無意味な訳じゃないですか。
はい、コメントありがとうございます。メンターはいたんでしょうか?仲田さんいましたか?因みに言えないことは言えないで大丈夫です。
仲田 最初はいなかったのですが、株式会社も立ち上げた関係上、社外役員という形で自分たちに足りないところは人を巻き込んでいったっていうのはありました。
横須賀 黒川さんどうですか?
黒川 メンターはリアルではいないですけど、本とかですかね。
横須賀 例えば1人挙げるなら?
黒川 稲盛和夫さん。
横須賀 やっぱりチョイスがその規模まで来るだけのことはありますよね。
・平均年収の謎と努力すれば年収1000万円の真実
横須賀 今は税理士も営業が大変ですけど、税理士で年収1,000万円っていうのは、現実的にどうなんでしょうか。ある程度積み上がってきたらそれは可能だと思うんですけども、ゼロベースで1,000万円っていうのは、今はじめるとしたらどのくらいの大変さだと思いますか?
仲田 いけるんじゃないですか。
黒川 もう全然いけると思います。
横須賀 じゃあその根拠を少し伺いましょう。黒川さんどうですか?
黒川 さっき言った名刺を配りまくるだけでも、多分2年目には超えてくると思うんですよね。
仲田 戦略と差別化ができていれば、全然余裕でいけると思います。
横須賀 まあ税理士で1,000万円いかなかったら、それはサボってると思うんですけどね。これは言い方が合っているのか分かりませんが、税理士はビジネスモデルが非常に優秀だと思うんですよ。オールドモデルにはなりますけれども、顧問報酬があって決算が別っていう謎の仕組みが決まっているのでね、そういう意味ではコツコツやれば全然いけると思います。
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2014年 同志社大学商学部 卒
2016年 兵庫県立大学院経済学研究科 修了、京都の税理士法人に入社
2019年 Beso groupとして創業
2020年 freee導入実績60社、1年でfreee5つ星認定アドバイザー資格を取得
2021年 freee導入実績50社、第二創業として税務SaaSの開発に取り組む
2022年 税理士法人化(大阪、奈良、東京3事務所展開)
さきがけ税理士法人、さきがけ社会保険労務士法人などを中心とする経営支援グループ。税務調査対応、融資・創業支援などに定評がある。2021年12月、2022年12月GPTW社「働きがいのある会社」認定。従業員数約100名。税理士業界”トップ0.1%”に入る成長実績。代表:黒川明(税理士)
税理士 神話崩壊-税理士開業と経営、実務の新常識-
- 著者
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パワーコンテンツジャパン株式会社
200名以上が視聴した配信「税理士 神話崩壊」がKindleに。新進気鋭の仲田芽衣税理士、いまやベテランの黒川明税理士とともに現在の税理士業界について語り合いました。